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着物保管はタンスがなくてもOK!〜着物保管完全ガイド〜
着物は、日本の伝統文化でもあり、昔から現代まで多くの人に親しまれています。
ですが、「保管方法が難しそう・・・」 「お手入れってどうやるの?」と悩んだことはありませんか?
タンスがなくても、少しの工夫で誰でも着物を正しく保管することができます。
この記事では、タンスがないときの収納アイテムや保管前の手順、湿気や害虫対策、やりがちな失敗例まで、初心者の方でもわかるポイントをまとめました。
目次
- 着物の保管にタンスがない時の代替収納アイテム5選
- 1.プラスチック製衣装ケース
- 2.洋服ダンス・チェスト
- 3.スチールラック
- 4.桐製収納ボックス
- 5.衣類用密閉ケースは少量の着物保管に便利
- タンスなしでも大丈夫!着物を保管する前の3つの準備ステップ
- ステップ1:きものを正しくたたむ(本だたみ)
- ステップ2:汚れチェックと陰干しで湿気を飛ばす
- ステップ3:たとう紙で包んで保管する
- 着物を傷めないための5大対策
- ⚫︎湿気対策
- ⚫︎虫食い対策
- ⚫︎紫外線対策
- ⚫︎カビ対策
- ⚫︎型崩れ防止
- タンスがない環境での着物保管の注意点とベストな配置
- マンション・アパート:クローゼット上段を活用
- プラスチックケース:除湿シートとサイズ選びが必須
- スチールラック:カバーで紫外線対策を
- ベッド下収納:絶対NG!湿気がたまりやすい
- 着物を長持ちさせる定期メンテナンス
- 虫干しの最適時期と手順
- 扇風機で簡単換気できる方法
- たとう紙の交換時期
- 着物保管におすすめの防虫剤・除湿アイテム
- 備長炭シート:防虫・調湿・消臭を兼ねる
- 市販の防虫剤:1種類のみで直接触れさせない
- 除湿剤:定期交換が必須
- 着物保管に最適な桐タンスの特徴
- 桐の調湿機能は湿度に応じて膨張・収縮する
- 桐の防虫効果で虫を寄せ付けない
- 桐タンスのメンテナンスと使用上の注意点
- 着物収納でよくある失敗例
- 購入時の紙箱に入れっぱなしにする
- ハンガーに掛けっぱなしにする
- 着物と小物を一緒に収納する
- まとめ 〜タンスがなくても着物を長持ちさせる5つのコツ〜
- ①代用品を活用する
- ②湿気対策の強化
- ③防虫対策を徹底する
- ④保管場所の選び方
- ⑤定期メンテナンス
着物の保管にタンスがない時の代替収納アイテム5選
タンスがなくても工夫すれば、着物をきれいに保管することができます。
今回は、そんなときに役に立つ代替収納アイテムを5つご紹介します。
1.プラスチック製衣装ケース
ホームセンターやネット通販で販売されており、手軽に購入することができます。
また、軽量で女性でも持ち運びがしやすかったり、リーズナブルな価格も魅力のひとつです。
2.洋服ダンス・チェスト
新しい収納アイテムを買う前に、自宅にある家具を有効活用するのもおすすめです。
普段使わなくなった洋服ダンスやチェストを、着物用に使用してみましょう。
3.スチールラック
通気性に優れているため、湿気がこもりにくく、着物の収納にもぴったり。
出し入れがスムーズにでき、普段使いの着物に最適です。
棚の高さを自由に変えられるタイプを選ぶと、着物の量に応じて調整できます。
4.桐製収納ボックス
桐素材は湿度を調整する性質があり、虫からも守ってくれるため、安心して収納できます。
サイズの種類も豊富で、コンパクトなサイズなら、和室やクローゼットの空きスペースに置けるのも魅力的です。
5.衣類用密閉ケースは少量の着物保管に便利
衣類用密閉ケースは、少量の着物をまとめて保管するのに最適です。
小分け収納にも向いているため、季節ごとや着物の色、使用場面などで分類して収納すると管理がしやすくなります。
タンスなしでも大丈夫!着物を保管する前の3つの準備ステップ
ここでは、着物を保管する前にぜひおすすめしたい3ステップをご紹介します。
ステップ1:きものを正しくたたむ(本だたみ)
「本だたみ」とは、伝統的な着物のたたみ方で、左右の縫い合わせをそろえて折りたたむことをいいます。
初めての方は、動画や写真付きの手順を参考にしながら畳むとスムーズにできます。
ステップ2:汚れチェックと陰干しで湿気を飛ばす
保管する前に、まず着物全体を確認し、汚れがないかチェックしましょう。
自分では気づかないうちに汚れが付着しているケースもあるので、念入りに見てください。
汚れチェックが終わったら、半日ほど陰干しして、汗などの湿気をしっかり飛ばします。
ステップ3:たとう紙で包んで保管する
着物を収納するうえで、たとう紙は必需品です。
たとう紙には以下のような役割があります。
・着物をカビ・ホコリから守る
・シワの発生を防ぐ
お手入れを終えた着物は、1枚ずつ丁寧にたとう紙に包んで保管しましょう。
着物を傷めないための5大対策
着物はデリケートなため、少しの不注意がシワやカビの原因になることがあります。
すぐに対策できることばかりなので、ぜひ実践してみてください。
⚫︎湿気対策
着物は湿気に弱いため、除湿シートをタンスの底に敷くことで、湿気を吸収しやすくなります。また、床に近いほど湿気がたまりやすくなるので、なるべく高い位置に保管できるとよいでしょう。
⚫︎虫食い対策
ウールには虫がつきやすいです。着物の近くには、ウール素材を収納しないなど、保管場所を分けましょう。防虫剤をタンスに入れておくと、さらに安心です。
⚫︎紫外線対策
直射日光だけでなく、室内灯にも紫外線は含まれています。
・直射日光は避けて、陰干しする
・部屋に長時間放置せず、早めに収納する
これらのポイントを意識してみましょう。
⚫︎カビ対策
使用頻度の低い着物は、天気の良い日に半日ほど陰干しをしましょう。
湿気がたまることが、カビの原因になります。陰干しが難しい日は、扇風機やサーキュレーターの活用もおすすめです。
⚫︎型崩れ防止
収納時の詰め込みすぎが、型崩れの原因になります。
ぎゅうぎゅうに入れてしまうと、シワがつきやすくなるので、少し余裕を持たせて収納しましょう。
タンスがない環境での着物保管の注意点とベストな配置
着物の寿命には、置く場所や保管方法がとても影響してきます。
ここでは注意するポイントと、ベストな配置をご紹介します。
マンション・アパート:クローゼット上段を活用
タンスがない場合でも、クローゼットの上段は着物の保管に最適です。
高い位置なら、風通しもよく、直射日光が当たることも少ないので、カビの心配が少なくなります。
プラスチックケース:除湿シートとサイズ選びが必須
タンスの代わりに、プラスチックケースを使う際には、湿気対策をしっかりと行いましょう。
ケースの中は密閉されていて、湿気がこもりやすくなります。底や間に除湿シートを敷いて、定期的に交換するようにしましょう。
また、ケースのサイズも慎重に選びましょう。
無理に収納すると、型崩れやシワの原因になるので、少し大きめのサイズを選ぶのがポイントです。
スチールラック:カバーで紫外線対策を
通気性が良い点から、スチールラックで収納する方も増えています。
ですが、そのままではホコリや紫外線の影響で、色あせしてしまうこともあります。
市販の「スチールラックカバー」や「衣類ラックカバー」の活用がおすすめです。
ベッド下収納:絶対NG!湿気がたまりやすい
最近では、収納機能付きのベッドをよく見かけます。
一見、スペースの有効活用に思えますが、床に近く湿気がたまりやすいため、カビ・シミの原因になってしまいます。
特に、ジメジメした梅雨や冬場の結露は危険です。
他の収納方法を見つけ、できるだけ高い位置に収納できると安心です。
着物を長持ちさせる定期メンテナンス
大切で思い入れのある着物は、いつまでもきれいに着用したいと思いますよね。
そのためには、定期的なお手入れが重要です。
着物を長持ちさせるために知っておくべき、メンテナンス方法をわかりやすく解説します。
虫干しの最適時期と手順
着物を長持ちさせるためには、定期的な虫干しが重要で、湿気を飛ばしカビや虫食い防止の効果があります。
虫干しの時期は、「年3回」「梅雨明け・秋・冬の晴天が続いた日」がおすすめです。直射日光を避け、風通しの良い場所で半日ほど陰干しをしましょう。
型崩れ防止のため、着物用のハンガーを使うと安心です。
扇風機で簡単換気できる方法
天気が悪く虫干しが難しいときには、扇風機やサーキュレーターで簡単な換気をすることができます。
タンスの扉を開けて、風を優しく当てるだけでも効果的です。
風を当てるときは、「強すぎない」「部分的に当てすぎない」がポイントです。
扇風機の首振り機能を使って、効率的に空気の循環をしてみましょう。
たとう紙の交換時期
たとう紙は、時間が経つにつれ紙自体が湿気を含み、黄ばみが発生することがあります。
そのため、「1〜2年に一度」で新しいものへ交換しましょう。
交換のタイミングで、シミや虫食いがないか、着物の状態も一緒に確認できると安心です。
収納するときには、きれいな手でたとう紙に包みなおし、軽く空気を抜くようなイメージで収納してみてください。
着物保管におすすめの防虫剤・除湿アイテム
防虫剤や除湿アイテムを上手に活用し、カビや害虫から着物を守る方法をチェックしていきましょう。
備長炭シート:防虫・調湿・消臭を兼ねる
備長炭シートは、優れた吸湿性と消臭効果があることから、着物の保管に最適なアイテムの1つです。
タンスの底に敷いたり、たとう紙の中に入れたりと、場所を取らずに使用できる点も嬉しいですね。
また、天日干しをすれば効果を復活させることができ、繰り返し使える点も魅力的です。
エコで長く使える備長炭シートを、ぜひ活用してみましょう。
市販の防虫剤:1種類のみで直接触れさせない
防虫剤を使用する際は、異なる種類を一緒に使わず、1種類のみにしましょう。
成分が混ざることで、着物が変色したり傷んでしまうことがあります。
除湿剤:定期交換が必須
製品ごとに異なりますが、交換の目安は半年ほど。
吸収した水分が溜まったまま放置すると、カビ発生の原因になることもあります。
定期的にチェックし、除湿剤を新しいものに交換することで、最適な保管環境を保ちましょう。
着物保管に最適な桐タンスの特徴
桐タンスは、昔から着物収納に最適で人気を集めています。
その特徴や注意点のポイントを詳しく理解しましょう。
桐の調湿機能は湿度に応じて膨張・収縮する
日本は四季があり、季節によって湿度の差も大きい国です。その中で、着物の保管に最適なのが桐タンスです。
湿度の高い梅雨の時期には、桐が湿気を吸収して膨張し、隙間を少なくします。
一方で、冬場の乾燥する時期には、桐が収縮してタンス内の通気性を良くします。
この調湿作用が、着物を湿気から守る大きな役割となっています。
桐の防虫効果で虫を寄せ付けない
桐には、防虫効果があることも特徴です。
その理由は、桐に含まれる「タンニン」という成分です。
タンニンの渋み成分が虫を寄せ付けにくくし、着物を害虫から守ってくれています。
桐タンスのメンテナンスと使用上の注意点
日頃のお手入れとして、タンスの表面を乾いた布で優しく拭いてください。
水拭きや、アルコール等を含んだクリーナー、湿った布の使用は避けましょう。
タンスは、水平な床面で直射日光の当たらない場所、そして壁から3〜5センチほど離して風通しの良い場所を選びましょう。
また、桐はデリケートな素材のため、物をぶつけたり、引き出しを強く開け閉めすることは控えてください。
着物収納でよくある失敗例
ついついやってしまいがちな失敗例を3つご紹介します。
それぞれの対策方法を知って、着物収納のコツをつかみましょう。
購入時の紙箱に入れっぱなしにする
購入時の紙箱は、見た目もきれいでしっかりしていますが、そのまま収納に使うのはおすすめできません。
紙箱の中は湿気がこもりやすいため、カビの原因になることがあります。
また、箱の中に入っている薄紙や証書なども、一緒に保管せず別の場所で保管しましょう。
ハンガーに掛けっぱなしにする
着物ハンガーは、陰干しなどのお手入れには便利ですが、保管には向いていません。
着物は重みがあるため、ハンガーに掛けたままにすると型崩れをおこし、生地に負担がかかってしまいます。
お手入れが済んだら、なるべく早く畳んで収納するよう心掛けましょう。
着物と小物を一緒に収納する
帯や腰ひも、髪飾り、バッグなどの小物類は、着物と一緒に収納しないようにしましょう。
異なる素材が触れ合うと、着物へダメージを与えたり、変色させてしまう可能性があります。
小物も着物と同じようにお手入れを行い、風呂敷で包む、または収納カゴを活用して別で保管するのがおすすめです。
まとめ 〜タンスがなくても着物を長持ちさせる5つのコツ〜
おわりに、タンスがなくても着物を安心して保管できるポイントを5つ整理してみましょう。
①代用品を活用する
タンスがなくても、衣装ケースやスチールラックを使えば、手軽に収納できます。
②湿気対策の強化
着物にとって湿気対策はとても重要!
湿気対策をしっかり行うことで、カビ・シミを防ぎ、着物の寿命をより長くできます。
③防虫対策を徹底する
防虫剤や備長炭シートを上手に活用することで、害虫から着物を守ることができます。
④保管場所の選び方
風通しが良く、できるだけ高い位置が着物の最適な保管場所。
直射日光などの紫外線も避けることで、色あせも防げます。
⑤定期メンテナンス
年に数回、陰干しやたとう紙の交換をすることで、カビ・シミ・虫食いを予防できます。
少しの手間で、清潔で美しい着物を保つことができる。
これらのポイントを意識することで、タンスがなくても着物を長く美しい状態で維持することができます。
近年では、日常使いよりも特別な日や大事な場面で着ることが多くなりましたね。
だからこそ、ご自身の大切な着物を、できる限り長く美しく保ちたいものです。